2023-09-18

「信濃川」になじめない日常〜新潟在住ライターより〜

県庁そばの千歳大橋から市役所近くにある昭和大橋を望む

学校を卒業してウン10年経ちますが、いまでも教科書で習ったものに遭遇すると小さな感動を覚えます。遠くに富士山を眺めたときも、国立博物館で「聖徳太子二王子像」を見たときも、「あっ、教科書と同じだ!」なんて声をあげたりして、うれしくなってしまうのです。

5年前には、夫の転勤で新潟の地を踏みさっそく教科書のヤツにであいました。「信濃川」です。日本一長い信濃川。「しなの」という読み方は、信濃川で学んだと記憶しています。さすがは、日本一。そこにかかる橋も長いんです。「それは川幅が広いんだよ」と、子どもにつっこまれましたが、とにかく大きい。川といえば「紫川」だった私にとって、衝撃的なスケールでした。

ところが、このサイズ感になかなかなじめない。信濃川は新潟市の中心部を流れているために、川を行ったり来たりしなければ用事が終わらないこともあるのですが、目的地が目の前に見えていても、ぐる〜っと回って橋を渡らなければたどりつけない。この感覚に、慣れないんです。慣れ親しんだ紫川にはたくさん橋がかかっていて、下に川が流れていることさえ忘れてしまいますが、信濃川ほどの規模になると、そうそう橋もかけてられないんでしょうね。もちろん、主要道路を道なりに行けば橋を渡れますが、ちょっと小道に入ってしまうと橋を見つけられなくなって、迷子になってしまう。目の前のあの建物に行きたいだけなのに、こんなに遠いなんて。このスケール感になじめない自分の小物ぶりが、ほとほと嫌になるのでした。

ちなみに、冬の信濃川は強風が吹くために、歩いて橋を渡るのはとても大変。JRも止まるほどの突風が橋を襲います。そんななか、川にはたくさんのカモが飛来します。9月中旬の今日、カモを1羽見つけました。新潟の冬は、もうすぐそこまでやってきているのかもしれません。(のぐち)

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