2022-01-30

ちいさな幸せマネくマネキン


何年も、何十年も、長い間、
ずーっと心の片隅にあった疑問。
その疑問を解消してくれる答えの扉が、
思いがけず開かれる瞬間がある。

1月23日放送の「福岡くん。」が、まさにそれであった。
知らない人のために書いておくと、「福岡くん。」は、
おもに県民から寄せられた地元のさまざまな噂や謎を検証する、
FBS福岡放送で放送中の人気ローカル番組である。

視聴者から寄せられたのは、北九州市小倉北区の
上到津(かみいとうづ)四丁目交差点に、
気づけばずっといて、風景の一部のようになっている
マネキン人形の謎について。
美容室の入口に座っているので、
その店が置いているのだろうが、調べてほしいとのこと。

放送を観ていて、「そう!」と、思わず声を上げてしまった。
ここ数年なんてもんじゃない。下手したら物心ついた頃から、
たまにそこを通るたびに見かけていた気さえする。

番組スタッフがロケで店を訪れたところ、
店主の女性がいうには、
従業員だった関係で前オーナーから店を引き継いだ時、
すでにマネキンを店頭に置くのが当たり前になっていて、
始めた理由はわからないものの、
先代と常連さんの気持ちを汲んで置き続けた事実が判明。

開店から40年以上経っているそうで、
それでもマネキンがボロボロになっていないのは、
レンタル契約で3か月ごとに新しく入れ替えているから。
そのレンタル代は月に8800円。
番組調べでは、1体1万5千円程度で購入できるばかりか、
これまでに450万円を超える出費が発生。

しかも、マネキンは月1ペースで衣替えしていて、
着せ替え用の衣装が約50着あり、
髪のスタイリングにも店主みずから
手間暇をかけているところが紹介された。

そこで、毎日置いているマネキンを出さなかったら
周囲はどんな反応をするのかが試された結果、
ご近所を往き来する人たちからは
「最初は不気味だったが、いないとなるとさびしい」
「いつも会うのが楽しみ」といった意見が。
なんと、番組で声をかけた人全員が、
マネキンがいないのにすぐに気づいた。

そういえば、店の休業日だったからだろうが、
姿が見えない時に「今日はいないのか…」と、
一瞬気になっていたのを思い出した。
クリスマスシーズンにサンタの衣装を着ているのを見て、
「お!(*^o^*)」と思ったことも。

店主さんの日々の行動が、ご本人の知らないところで、
たまに前を通るだけの人の心にも
何かを少しずつ植えつけていたのかもしれない。

番組では、いっさい触れられなかったが、
取材を受ける時に店主さんがしていたネックレスが、
NHKで昨年放送されていた「おかえりモネ」で
りょうちん役を演じたキンプリの永瀬廉が
ドラマでずっと身に付けていたのにそっくりだった。

もしかしたらたまたまなのかもしれないが、
はは~ん、おかあさん、永瀬くんのファンかあ~、
と勝手に想像してみると、
朝ドラに元気をもらいながら仕事を頑張ってる店主さんの、
なんとも愛らしい一面をかいま見た気がして、
マネキンエピソードが、さらに味わい深いのであった。

(堀)

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