不適切にもほどがある
2024年もあと数日で終わろうとしています。
年末恒例のニュースを見聞きする中で、今年の「流行語大賞」は「ふてほど」が選ばれました。
“これって流行語”なのか?と思っていたところ、
テレビを全く見ない世代の長女が「ふてほどって何?」と質問してきました。
「ふてほど」とは、2024年1月〜3月に放送されたTVドラマ「不適切にもほどがある!」の略語。私は生粋のテレビっ子だし、なおかつ宮藤官九郎の作品が大好きなので、当然オンタイムで見ていました。
どんなドラマかをざっくり説明すると、コンプライアンスが厳しい令和の現代と、
そうではなかった昭和の時代を舞台に、さまざまな登場人物たちがタイムスリップを繰り返し、それぞれの時代の“常識”に驚きながら、人々との絆を深めていくヒューマンコメディーです。
昭和の「あるある」を実際に体験している世代には、今では考えられないような
“良くも悪くも当時の当たり前”(男尊女卑、喫煙、暴力、各種ハラスメントてんこ盛り)などは懐かしくもあり、共感しかありませんでしたが、Z世代には「嘘でしょ」と思うシーンが多かったことでしょう。
同様に昭和生まれにも、今の時代に「嘘でしょ」と思うことは多々あります。
例えば、修学旅行。
秋に高校2年生の次女が修学旅行に行ったのですが、
驚いたのは行き先が「国内・海外」から選べるという点(県立高校です)。
海外は何ヵ国も候補があり、1年の時に多数決で渡航先が決まりました。
「え?修学旅行って全員で一緒に行くものじゃないの?」
「え?福岡の高校は雪山のホテルに缶詰にされてスキー三昧じゃないの?」
頭の中はクエスチョンが乱立。
これが多様性を重んじる今どきの修学旅行か・・・と驚かされました。
(私立高卒、5個上の長女はスキー&ディズニーだったので、まだ許容範囲でした)
個人的「嘘でしょ」はまだまだあります。
先日、取材で一緒になった若いカメラマンさん。
以前何度か一緒に仕事をしたことがあったので、いつものように
「今、仕事をお願いできるライターさんを探しているんですよ。今回の案件に参加しているもう一人のライターさん、私、存じ上げない方なので、その方の了承が取れたら、紹介してもらえませんか?」と、気軽にお願いしてみました。
すると数日後、「先日お会いした際に、はっきりお伝えしておくべきだったのですが、弊社では個人情報や外注先の情報共有について、トラブル防止の観点から原則として控えさせていただいております」とお断りのメールが。
私の声かけは、相手にとって「不適切にもほどがある」発言だったようです。
なるほど…そうですよね…おっしゃる通りですと、
事務的で冷たく感じてしまうメールの文章を前に、しばし反省していました。
だけど私たちのような仕事は、信頼や口コミ、紹介で成り立っている部分が圧倒的に多く、営業活動をしなくても地元で仕事を続けられているのは、築いてきたつながりのお陰。フリーランスという立場上、個人的には最も大事にしていたい部分です。
今回は、若いカメラマンさんから信頼されていない立場なのに、おばちゃん全開で図々しいお願いをしてしまいました。個人情報の保護という点には十分注意しながら、今後も「あなたに仕事をお願いしたい」「あなたには誰でも紹介できる」と言われる仕事をしなければ、と思いを新たにしました。
ライターズネットワークに所属する面々は、信頼できる人たちと絆を大切にしながら仕事をする昭和生まれのライター集団です。
来年も本年同様、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
(谷口)
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