発信し続けたその先に
『濃くて楽しい24年間でした。抱えきれない「ありがとう」を込めて。』
2021年の冬号を最後に、北九州市発子育て情報誌ドンナマンマが休刊となりました。残念でなりませんが、手元に届いた最終号の表紙を眺めていると、24年間の重みがずっしりと伝わってきて、達成しきったような清々しさも感じます。
ドンナマンマは1997年、まだインターネットも普及しておらず、子育ての情報が簡単に得られなかった時代に、初代編集長谷美紀氏が「ないなら、自分たちが届けよう」と、仲間と共に創刊。母親として同じ目線で作成し、座談会やイベントを次々と手掛け読者と交流をはかり、意見を反映させていきました。有働悟未氏が新編集長として引き継いだ後は、フリーペーパーとして幼稚園・保育園、そして近郊の子育て関連施設に無料配布するスタイルを確立させ、長年に渡り多くの保護者の手元に届くことになったのです。
雑誌作りは大変な作業です。その分、情報発信の力は大きいものです。私は20年前に北九州に引っ越してきたので、親族も友人もいない見知らぬ土地での子育てはきついものでした。そんな私にとって情報誌は、未知の場所を開拓していくツールであり、息の詰まるような日々に清涼な空気が流れ込んでくるような、気分を爽やかにしてくれる存在でした。
あの頃に比べ、今や北九州市は子育てしやすい街No1となるほど、子育てのサポートが手厚くなっていると感じます。子育て支援への意識も確実に変わりました。ドンナマンマをはじめ、多くの人たちの数々の尽力がもたらしたものでしょう。
私たちは気づかぬうちに実に多くの恩恵を受け取って生きているのだなあと、ドンナマンマの終幕を機に思い巡らせています。長年に渡りドンナマンマが発信し続けたその先に見たかったのは、表紙のような子どもたちの笑顔だったと思います。もちろん、まだまだ課題の多い社会であることを実感していますが、受け取ったものを繋いでいきたいと、24年間の歴史に背中を押され、心新たに思っています。
追記:私事ではありますが、2009年にお母さんたちの心のサポートを目指してココリセセラピーを立ち上げることができたのも、当時の副編集長平田千江子さんと、子育てについて共に考え語り合い、多大なサポートを頂いたおかげです。そして、ドンナマンマをリニューアルし、完走しきった編集長有働悟未さんには、コラム執筆のお声がけを頂き、多くのことを学ばせて頂きました。共に歩ませて頂いたことを、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
(担当/松井)
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