門司大里の街あるきマップ
門司区大里(だいり)地区の歴史やアートの拠点を紹介する「もじ・大里街あるきマップ」を、同地区の女性グループが企画制作しました。6月末に完成し、JR門司駅やマップ掲載店、JR小倉駅の総合観光案内所、北九州空港などで無料配布しています。
街あるきマップはA3判の三つ折りで両面カラー。大里地区の文化遺産や神社仏閣、記念碑、アートギャラリーなど約30件が写真入りで紹介され、中面の見開きが街全体の地図になっています。
マップを作成したのは、インテリアギャラリー「オリーブの木」主宰の横田寿美さん(65)をはじめ、三瀬洋子さん(73)、金子克子さん(76)、湯浅直美さん(67)、伊藤佐和子さん(65)の5人。横田さんがギャラリーの常連客や知人に声を掛け、「自分たちが住む街の魅力を発信しよう」と、昨年の春から活動をスタート。団体名はジモナビ・プロモーションと名付けました。
2014年に大里地区でギャラリーをオープンした横田さんは、住宅地の中に隠れた名所がたくさんあることを知り、「いつか街を紹介する地図をつくりたいと思った」と話します。大里の地名は、平安時代にこの地に逃げて来た平家が安徳天皇の内裏(だいり)を置いたことに由来します。江戸時代には参勤交代往還の長崎街道の宿場町として栄え、多くの人が訪れる交通の要衝でした。歴史のある建造物や史跡も多いのですが、観光地ではないため、今まで街の歴史名所を紹介するマップはありませんでした。
「大里には絵描きが多く住んでいて、小さい街なのにギャラリーや画材店が数軒あるのも特徴です。歴史、文化、アートを中心に魅力を掘り起こし、地域の宝に光をあてたいと思いました」と、皆さん声をそろえます。
歴史文献や寺院の取材を通して史実を調べ、掲載店の取材や執筆を行い、5人で協力して1年がかりでマップを完成。イラストマップは、門司区在住の漫画家秋重殉二さんに依頼しました。カラフルなデザインで、親しみやすいと好評です。制作費は北九州市振興基金の助成金を活用し、寄付金も募って2万部を印刷しました。
来春には、マップを活用した街あるきツアーを企画する予定。「街あるきマップをきっかけに、少しずつ活動を広げていきたいと考えています。地域の人たちと一緒に、心豊かに過ごせる街づくりをしていきたいですね」と、皆さんすてきな笑顔で話してくれました。(神田)
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